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枕に不向きな素材


そば殻、パイプ、ポリエステル綿、ウレタン、低反発ウレタン、高反発ウレタン、羽根・羽毛、ヒノキ、お茶の実、炭、水、空気、これらは全て枕の素材として使用されています。

しかし、この中で枕の素材として不向きな物があります。
低反発ウレタン(低反発枕)が不向きなことは他のページで既に説明していますが、他にもあります。
さて、どの素材か分かりますか?

それは、水と空気です。
隅々まで行き渡り、どんな形にも自在に変化するイメージがある水と空気ですが、どちらも単体では形を作ることも、維持することもできない厄介な素材と言えます。
形を作るためには容器、ゴム・ビニール袋等で密封しなければなりませんが、それらに入れた時点で特性を失ってしまいます。


水は高い所から低い所へ流れ、水平を保とうとする力が働きます。
発熱時などに使用する水枕が不安定で落ち着かないのもそのためです。
空気は気圧の高い方から気圧の低い方へ向かって進みます。
空気枕の場合、枕の中の気圧が高く、枕の外が低い為、枕の中の空気は枕の外へ向かって押すことになります。
この時の押す力は、全方向へ均一に掛かります。

某会社で販売している水と空気を利用した枕の商品説明に、不可思議な文言がありました。
下記は、その文言を抜粋して要約したものです。
  • 水の浮力でゆったり支える
  • 水の浮力により均一な圧力で支える
  • 粒子が小さいので頭と首にフィット
  • 水の浮力で常に快適な姿勢
何かがおかしい、何かが間違っている、と思いませんか?
アルキメデスの原理、浮力をイメージさせる表現ですが、新しい発見でもしたのでしょうか。

10万トンも20万トンもある豪華客船が海に浮かぶのは、浮力が働くからです。
勿論、浮力は船底に掛かるもので、実際に海水の中に入っている部分になります。(直接海水に触れる部分のみ)
その為、船内で重量が100sのバーベルを持ち上げようとしても、容易に持ち上げることはできません。

湯船に浸かると、浮力の関係で指先だけでも身体を支えることができるようになります。
湯船にリンゴを入れると同じように浮かびます。

それでは問題です。
湯船に洗面器を浮かべ、洗面器の中にリンゴを入れるとリンゴにも浮力が掛かるでしょうか?
自信のない方は実際に試してみてください。
湯船に洗面器を浮かべ、洗面器の中にクッキングメーターを入れます。予め量っておいたリンゴを、クッキングメーターの上に乗せたらどうなりますか? 軽くなりましたか?

常識的には、水枕の中にある水に頭を入れれば浮力を期待できますが、水中でもないのに浮力を力説する某商品。
正体は詐欺師なのでしょうか。
もう一点、「粒子が小さいので頭と首にフィット」。
密閉された時点で隅々まで行き渡る特性を失ったはずの水枕がフィットするとは、睡眠中に水が漏れ、頭と首を覆う商品かもしれません。